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一人称

 英語では「 I 」の一字で済むところだが日本語だと ─── 私、わたくし、わし、僕、俺、あたい、わっち、オラ、うち、ワイ、おいら、わだ、わだす、自分、拙者・・・と方言を含むと限りない。
 東京の下町に生まれの従兄弟らは「おいら」と普通に使っていた。タケシと同じだ。
 
 当初ブログで「わたす」と何度も記すると「ミスタイプしてるよ」とメールでご注意してくれた方もいたが気分で使っている。
 版画家の棟方志功が昔、テレビで自分のことを「わたす」と言っていたのが気に入ったからだ。
私自身は口から発する会話で「わたす」と使わないが・・・。
 津軽ではおそらく「わだす」だろうが棟方は「私」ときちんと発音したかったのに「わたす」になったのではないかと推測出来る。
 
 男が丁寧に使う時の一人称を「わたす」と言い表す事により親しみを感じたり人間味を感ずる事が出来ると思っているのだ。別の地方の適当な一人称が見つかるまでこれで行くことにしまっしょ。

 文章に関西弁をやたら入れると不愉快だと言う人もいる。関西弁にしたって地域、土地によりマチマチなのである。自分の使っている関西弁が唯一正しい関西弁だと思っている輩も多いのだ・・・特に大阪京都人に多い。
 
 わたすの生まれ育った南紀地方の言葉は京都、大阪弁とは違っているのだ「自慢じゃ無いが昔は陸の孤島だったのだ」←本当かよ? 徳川御三家紀州の一画なのに?
 熊野古道世界遺産になって有名だが細い旧道だったので伯母が和歌山市から嫁いでくる際、陸路ではなく船で半日以上掛けて来たと言っていた。当時まだ鉄道が通って無かったらしい。
 
 そういやー、武田鉄矢が使う言葉は正しい博多弁では無いと指摘する人もいた。彼の使う言葉はかなり田舎言葉だと言う。「正しい博多弁はあんな乱暴な言葉では無くもっと上品だ」とか。
 由緒正しい「博多っ子」には武田鉄矢が使う言葉を博多弁と言われるのが我慢出来なかったのだろうか? 一般人には違いなど分からんけんどねー。
 
 わたすの育った里の言葉も確かに上品でキレイだとは言えなかった。生まれ育った人間が言うのだから間違い無い。おまけに敬語の無い土地柄でもあったのだ。
 京都や大阪から来た親戚が話す言葉が妙に上品に聞こえた。