わたすが一番よく話をする相手は床屋のマスターだろうか？ 私が行く床屋のマスターは髪を切る手と同じぐらい口を使う。
コミュニケーションもサービスの一つだと考えているのだろう。普段喋らない私が一週間分以上をそこで喋る事になる。
反対にまったく口を利かないのは1000円床屋のQBハウスだろうか？ 誰が担当になっても口を利いた事がない。10〜15分位だろうが世間話をする雰囲気では無い。私に限らず、どの客ともお喋りしているのを見た事がない。
おそらく店の方針なのだろう。口を動かしていると手がおざなりになり時間が掛かって儲からないという事なのだろうか。
昔から行っている床屋は最短で1時間ほど掛かるので時間はＱＢの5倍ほど掛かる。当然、値段も4〜5倍掛かるが・・・。
最近は使い分ける事にしているが、お喋り出来る床屋も悪くはない。仕上がりも当然悪いはずがない。
わたすもマンウォッチするタイプで話し方や仕草などから性格がある程度、読める方である。前のマスターや前にいた店員の性格を話すと見事当たっているという。「お客さん、好く観てますねー」と言われてしまった。
ベラベラ喋る奴と違い、無口な人間ほど観察しているのである。
床屋のマスターが言うには髪の薄くなった爺さんから「髪が無いから安くしてくれよ」と言われるらしい。しかしそこのマスターは「髪が少ない人ほど細心の注意をしながら色々考えてハサミを動かしているのですよ」と答えるらしい。
そのように言えば納得してもらえると言っていた。ナルホドである。いつも口を動かしてないと「咄嗟に出てくる答えではないな」と感心した物だった。
