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チャリライダー

 ライハで出会ったそのオジさんは今回、2度目のチャリによる北海道一周だと言っていた。今回のコースを走ってきたルートは大きな地図にオレンジの蛍光マーカーで印され、前のはグリーンの蛍光マーカで印されていた。
 何故60才と分かったかと言うとライダースハウスに着いた時に宿帳のようなモノに記帳するのである。わたすがそこのライハの2番目の到着者で、前に書かれている人の名前と年齢と職業が分かったのであった。職業欄に無職と記帳されていたから定年退職した人であろうと察せられた。
 ライハではその日の宿を共にした人から色々情報交換するのだが、おすすめの場所は無いかと聞かれたので交通量が少なくて走りやすい野付け半島とトドワラを勧めた。しかし野付半島のトドワラは抜ける道が無く、行ったら同じ道を戻らなくては成らないのだ。
 そのオジさんは地図を見て往復しなくてはならない事が解っていて諦めた。チャリライダーは往復するのは精神的にも肉体的にも辛いそうだ。良く解る。国道の分岐から20キロ位なのだが往復40キロは辛いのは理解出来る。バイクなら片道15〜20分で行けてもチャリなら1時間以上掛かるのだろう。往復2時間から3時間掛かるとすれば1日の走行距離の3分の1にもなるからだ。
 やはりバイクライダーと違って消耗度はかなり激しいらしく、夜8時半過ぎには周りが騒がしいのにアイマスクをして寝ていた。翌日、わたすが起きるとそのオジさんの姿はもう無く、既に出発した後であった。
 起きて1時間ほどで出発したが途中そのオジさんが自転車で走っているのに追いついた。ピッ、ピーとクラクションを鳴らし大きく手を振り互いの安全と旅の成功を祈ってサインを送りバイバイした。ボン・ボヤージュ、道中ご無事で! 
 旅先では色んな人と親しくなり、そして別れる。もっと親交を暖めたい人もあるが別れる。それが旅なので有りジャーニーなのである。