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フロントランナー

 朝日の毎週土曜日の特集記事だ。今週はコミュニティーデザイナーだ。毎回、横のつながりや周りとの連携が出来て前向きな人が紹介される。フロントランナーに紹介される人達は社会にとっても企業にとっても必要な人達なのだろう・・・地域や日本経済にとっては。
 しかし、あそこのフロントランナーに紹介される人達は、わたすには、あまり魅力を感じないのである。日経に取り上げられるような人達ばかりだし・・。
 わたすが横向きだからなのかもしれない。前向きで明るくて外に 外にと出て金儲けが出来る人は確かに必要なのだろう・・・この国にとって。
 しかし、それだけでは面白みが無い。真逆の人を紹介しても面白いのでは無いかと思う。前向きでもなく、さしたる挑戦もせず、金儲けをしなくたってEーではないか。
 
 わたすが一番、興味がある人はノンフィクション「荒野へ ── into the wild」ジョン・クラカワー著に出てくる、主役の青年ではなく、偏屈そうなオッサンだ。主役の青年はアラスカの大地で生きる力量が無くて餓死するのだが(実話)・・。

「荒野へ」で登場しないのだがエピソードとして出てくる 猟で生計を立てているオッサンがいる。年に一度だけ森から町に出てくるのだ。森から出てきて毛皮を売り、得た金で缶詰など一年分の食料と日用品、ライフルの弾、それとその日まで店に頼んで溜めてもらっていた一年分の新聞をトラックに積んで森に帰るのだという。一年分の新聞を一年を掛けて古い順から一日、一日読むのだそうだ。この分厚い本で数行だったが一番印象に残っている。
 究極のスローライフである。生き方はわたすの憧れるスナフキンのような人なのかもしれない。強靱な精神と肉体の持ち主でないとやっていけないだろう。このオッサンのライフスタイルをじっくり見てみたい ─── フロントランナーと真逆のランナーだ。しかし誰も興味はないだろうからドキュメンタリーは作られないだろう。独り者なのか? 家族がいるのか? どうしてこういう生活をするようになったのか・・?
 人間、社会とコミュニケートしなければ生きていく事は出来ないと言うが、こういう選択肢も有りなのだ。
 もう一度、読み返そうと思ったが何所にしまったかこの本は出てこない。