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カタログと現物の色

ライトアップと言う通販カタログで一つジャケットで気が惹いた物があった。
色も光沢感も写真ではグッドだったので取り寄せしてもらった。
 
届いたと言うので今日、見に行くと全く写真と質感も色も違っていた。
当然、迷うこと無く却下した。

↑とてもじゃないがこの様な色をしていなかった。
この色だったら即、買っていたハズ・・・。

全く普通の綿ジャケットで光沢感も無い。
安っぽくスーパーで売られている様な色だ。38,880円の価値はない。
これはカメラマンの所為だしデザイナーの所為でもある。
 
カタログはイメージっぽくカッコ好く撮影する必要がある場合もある。
しかしファッションカタログだ。中ページでは忠実に色と質感を
再現しなくてはならない。
 
昔、着物カタログの仕事をした事がある。
プレゼンでわたすのデザイン案が通ったのである。
プレゼンで勝てば印刷屋もデザインプロダクションも広告代理店も
儲かるので広告代理店の営業は私に対する態度が急に変わった。
人間というのはそのような物である。
 
印刷は正に実際の着物といかに忠実に着物の色が出せるかが勝負だった。
雰囲気等やイメージなど関係無いのである。
 
本物と違った色やイメージでカタログを印刷をすればそれを見て注文した
人達から「カタログの色と違う、カタログの色の着物を送ってちょうだい」
と言う様な苦情が来て返品の山となるらしい。
 
なので印刷の色校正は本物の着物を持ち込んでグラフィックデザイナー、
クライアント、印刷屋に製版屋、広告代理店の営業など集まって
「どうたら、こうたら」と色をチェックした。
わたすも初めての着物の仕事だったので色々経験させてもらった。
 
撮影したフィルムを現像する時に「何故、本物の着物を一緒に現像所に
出さなかったのか」と言われた時、「普通、そこ迄しないだろう」と
思ったが、通常シビアな色表現の現像をそこ迄するのか確認しなかった。
現像所にそんな高価な着物を持ち込んだとしても迷惑がられるだろう。
 
ま、今回のライト・アップのカタログと本物のジャケットの色は違い過ぎた。
カタログだけで現物を見もしないで注文することは無い。
黒以外は・・・