夜中、ふっと目が覚める。熱帯魚にエサをやらねば・・。
エサをしばらく与えていない。しかし睡眠薬を飲んでいるので
中々起きられない。そうこうしている内に朝が来た。
夢か・・・。考えれば熱帯魚を飼っていたのは10年ほど前だ。
海水魚と淡水魚を飼育しており両方とも自動給餌器を付けていたので
給餌する必要は無かった。
淡水魚の方は簡単に飼育出来、海水魚は大変だった。
面倒を見るのは99％が海水魚で1％が淡水魚だった。
淡水魚の方は水が減ってくると水を追加する位だけだった。
だから給餌器の方も滅多に確認せず何日もエサの無いまま一日に二回
空転し続けていた。
夢で焦ったのはその時の心情が頭の隅に残っていたのであろう。
「ごめんなー、ネオンテトラやエビさんたち」
10年前に引っ越しする際、東大の三四郎池に放流しようと思ったが、
冬は越せないので熱帯魚屋さんに引き取ってもらった。
その1年前、10年近く飼い続けていた海水魚は家族が帰省している際、
熱帯魚用のクーラーが壊れて全滅した。
魚たちはクーラーが壊れた所為で残酷にも生きながら煮魚になったのだ。
「本当にゴメンなー海水魚や珊瑚たち」
再起動するには体力も気力も費用も半端無く掛かるので諦めた。
引っ越し後に始めようと考えて機材一式を残していたが、到底無理な
話だった。
