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鮮魚

大きなスーパーの鮮魚売り場へ行っても、尾頭が付いている魚は
イワシやアジに鯖にサンマぐらいだろうか?
鯛も時には在るが ・・・。
ほとんどが切り身で売られている。
尾頭付きの魚など調理出来る人がいなく為った所為もあるのだろう。
 
私が子供の頃、行商のオバさんが朝一番で漁港で仕入れた魚を
氷が入った引き出し付きの荷車で売りに来ていた。
荷車の上には大きなまな板が付いていて主婦の注文を受ける。
我が家が行商ルート最後のお得意先だったらしく、時々母が残りの魚を
安く買っていた。
 
そんな環境だったので今の「切り身パック」は買う気にはならない。
魚全体が見えないので新鮮なのか、そうで無いのかも判断出来ない。
 
昔、東京から叔父が訪ねて来た時、駅から家まで歩いて来る際、
魚屋に寄ったのか「さすが漁港が近いから珍しい魚が並んでいた」と
話していた事を想い出す。
今、考えると「珍しい魚」では無く、そのままの形でガシラやハタに
コチ、ウツボやホウボウなどのグロテスクな顔が並んでいたからだろう。
 
今は東京も地方も魚屋が減少してスーパーでパックされたのを買うしか無い。
そのせいで出刃包丁が家庭から無くなってしまった。
我が家も出刃は無い。両刃の三徳包丁で間に合うからだ。
もっともスーパーの鮮魚担当にやって貰うから魚をおろすことは滅多にない。
 
家で魚をさばくと、あとあとが大変なのである。
鱗が飛び散るし臓器の処理や臭いである。
実家では魚の臓器を母が庭に穴を掘って埋めていた。
それが肥しになっていたかは甚だ疑問だったが。
 
しかしスーパーにも偶に滅多に出ない魚が入荷する。
珍しいのが入荷しても開きにしてビニールパックで売られていたりする。
 
この前、小振りのキンキを“開き”で売っていたから「そのままのをくれ」
と言うと鮮魚担当は「この状態で入荷する」のだと言う。
そこのスーパーの年配鮮魚担当は「コレは煮付けが美味いんだけどねー」と
言っていた。本部の方で開きにするよう指示しているのであった。
魚の美味い食べ方が分かってない奴が指示をしているのだ。
 
まあ、開きだったらフライかソテーか刺身にもできるか?
でもキンキは煮付けだろう。