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いかもん食い

昔、父の同僚の先生が「いかもん食い」で通っていた。
「いかもん食い」とは普通は食べない物を喜んで食べる人の事を
田舎ではこのように呼んでいた。イカを好んで食べる人の事ではない。
 
父は何でも食べてみるその先生を面白がっていた。
その先生は田舎の中でも、より辺ぴな山村の学校を志願し赴任していたらしい。

中学校の頃、父がその先生に「美味しいから食ってみろ」と蜂の子を
貰ってきた。
ほぼ白い乳白色でモニョ、モニョと毛虫の様に動いている。
 
父は食べ方まで教わらなかったので母がフライパンで炒め始めた。
中には成虫になる寸前の物もいて、刺される心配もあったので
直ぐさま熱したフライパンに入れた。

↑これよりも丸っこい記憶があるが定かでは無い。
 
蜂の幼虫はアジアや南米あたりの住民らは生きたまま、おやつ代わりに
食べているのでナマで食べられたのであろう。
しかし私には口に入れられなかった。
食に関しては臆病なのである。
 
イナゴの佃煮だって一匹しか食べられ無かった。
伯父が買って来たもので味は美味しいのだが見た目はバッタその物なのである。
食べ慣れていない所為か、今でもわざわざ買って食べる気はしない。
 
父がその“いかもん食い”の先生に「今まで食べた中で一番、美味しかったのは
何かと?」聞いたらしい。
すると「ムササビ」が一番だったと即座に答えたそうだ。

ムササビは今でもまず味わう事が出来ない食べ物だろうか。
一体どんな味がするのだろう?