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自主流通米

 昔、自主流通米という米があった。安いから母はいつもこの米を買っていた。しかし不味いのである。少年の頃、わたすがお米嫌いになったのはこの自主流通米の所為だと今でも思っている。もちろん生産地や米の銘柄も記載されていなかった筈でお米屋さんが米袋で配達していた。
 当時のお米は今の様に品種改良もあまりされず、さほど美味しく無かった筈である。ササニシキコシヒカリも無かった。
 「米は噛めば噛むほど甘くなる」といわれるが私には「米が甘い」という感覚は100%無かった。ずーと後に米の生産販売に従事する人が「不味い米は噛めば噛むほど不味くなる」と言っていたが「成る程なあ〜」と納得したモノだった。
 
 当時、母が旨い米を買っていればわたすも「大きい人間に成れた」かも知れなかった。
 なんせ赤ん坊の頃は「健康優良児大会」に出しなさいと医者に言われたそうだ。
 
 ご飯をパクパク食うというシーンがテレビ等で良くあるが、ああいう光景は我が家には一切無かった。今でもだが。
 米に関しては幼い時から嫌いだったのだ。母も私には相当手こずったが、当家では下の子にも随分、手こずった。夕食の時間は2時間以上掛かったのである。無理に食べさそうとすると全て吐いてしまうのである。おそらく私以上に難儀な子であった。わたすは吐くことなど一度も経験が無かった。少なくとも大人になるまでは・・・。
 
 最近までNo.1だった魚沼コシヒカリが影が薄くなって来たらしい。色んな地域で美味しい米が開発されて魚沼コシヒカリもベスト5に辛うじて残っているほどだ。
 ベストファイブは味わってみようとしているが実際に買って食べても比べてみないと分からない。ただ大粒より小粒の方が見た目、宜しいのは間違い無いのだが。
 酒の品評会のように「10銘柄ほど有料で食べ比べられる所があってもいいんじゃないか」なと思っているが米普及協会の人達がやってくれれば行くのになー・・・
 
 25年ほど前から年に数回、宮城から有機栽培のササニシキを注文している。ササニシキのイメージはあっさり系なのだが結構、モチモチしている。
 今はもうササニシキ米は絶滅種に近い。スーパーなどでは見た事がない。
 
 米屋も街から消え、酒屋も消えてほとんどコンビニになってしまった。昔はどこの商店街にも存在していたのに。今は商店街そのものが消えつつある。