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菅原文太の仁義

リアルタイムで一番好きだった文太について一日では想いを述べられないから
二日目も書き留めよう。

文太が山田洋次監督の東京家族に主演する予定だったが、クランクイン直前に
起きた東北大震災の為、主演を断念した。もし、主演していたなら遺作に
なった筈だった。
そうすれば山田監督の「東京家族」も映画ネットレビューであんなに
ケチョン、ケチョンに批評されずに済んだ筈だ。
「晩節を汚した」「失敗作」などの意見もあった。
しかし、わたしに言わせれば「タカが山田監督だ。一体何を期待しているのか」
と思った物だ。私は「東京家族」を間接的に書いたが、レビューは書く気に
さえなれない。
原節子」役が無い。その代わりに妻夫木と蒼井優なのか? あの映画に
ヒロインが無ければ無理だべ・・・ちゅーか「東京物語」も原節子
出ていなければダメだったハズちゅーもんよ。
 
しかし仮に「文太」が主演していたなら別の映画になっていたような気がする。
存在感がドーンとあって、奥行きが全く違っただろうと思われる。 
「幸せの黄色いハンカチ」と並ぶ程の名作になっていたかも知れない。
 
残念ながら橋爪功では主演は無理だ。彼は助演大賞は取れるかも知れないが
主演男優賞は取れない俳優だ。何故か? 印象度が薄いし「華」が無さすぎだ。
「建さん、文太」は観に行くが橋爪さんではなあ・・・
 
文太がこの映画の主演が決まっていたのを降りてからその後、引退宣言し、
頑なに映画から一切身を引いたのは「謎だった」もっと観たかったのに・・・。
その理由は山田監督に大迷惑を掛けたからだそうだ。勝手に降りて
山田監督への「済まない思い」の気持ちでその後、引退発表したのだ。
それが彼の「仁義」だったのであろう。
 
高倉健も黒沢監督の「乱」に出る予定だった。しかし降旗康男監督の
「居酒屋兆治」に主演が決まっていたので黒沢監督の家に行き「断り」を
入れたそうだ。
黒沢は諦めきれなく何度も説得し「僕が降旗康男監督に直接詫びを入れる」
と言ったそうだが高倉は首を縦に振らなかったと言う。
高倉が「世界の黒沢と降旗康男監督のどちらを選ぶかと言えば絶対黒沢監督だが自分にはそれが出来ない」
という事を言ったとある。
黒沢の「乱」に高倉が出ていればかなり違った印象に成ったはずである。
「乱」も印象は殆ど残っていないし、誰が出演したのかも覚えていない。
 
黒沢の「七人の侍」に三船が出ていなければ成功して無かったと同じ事だ。