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氷シロップ

 かき氷のシーズンになってきた。
昔、雪山に行くたびに思っていたことがある。山で雪を食べるとすごく美味しいのだ。新雪でなくてもだ。冬山に行く毎に考えていた事は今度登る時には「氷シロップを持っていこう」と・・・
 実践しようとしたが、冬には氷シロップが何処にも売っていないのだ。氷シロップは完全な季節商品なのでスーパーにもデパートにも冬には店頭から消えている。そこで夏のうちにマイシロップを買っておき冬山に出陣した。もう25年以上も前になる。

 雪は腐るほどある。雪の上にシロップを垂らして食べるのである。これがメチャクチャ旨いのだ。舌の感触がかき氷屋のより良いのだ。これが同行者にも好評だった。雪なら何でもいいわけではない。標高の高い所の雪でないといけないし、サラサラで口に入れると直ぐ溶けるのが良い。山では「いちごシロップ」が一番合う。黄色のレモンシロップでは駄目なのだ。雪山では野ウサギなどが雪の上に尿をしている。それを見るとレモンシロップを掛ける気はしなくなるのだ。
「凍ってしまうのでは」と言う危惧があったが幸い2回とも平気であった。
当然、かき氷の容器は要らない。

 今度雪山に行く機会があればまたやろうと思っていたが福一の事故でその楽しみが消えた。
27年前。
笑っているが1日半トレースのない道を膝までラッセルしてきたのだ。八ヶ岳を甘く見てワカンを持っていかなかったのだ。赤岳からの下りで人工造形物のところまで出て来てホットした。冬山では夏道を歩くと、とんでもない苦労をする。

 沢登りをしている時には水筒はいらない。沢の水が好きなだけ飲めるから。しかし今後どうだろう? 場所によっては飲めなくなるかも知れない。
 色んなところで原発事故は我々の楽しみを奪い取る。のうのうと記者会見などやっている東電や保安院の連中を見る度に腹が立つ。