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かれんだー

 カレンダーの季節になった。今年もカレンダー制作の依頼が来なかったので自作のカレンダーは出来なかった。毎年、知人らに送っていたカレンダーが2年続けて送れなくなった。
 もう企業もオリジナルのカレンダーを作れる時代では無くなったのかも知れない。
 
 昨日、自宅で使うカレンダーを見てきたが、気に入ったのが無かった。
 合格点に達するビジュアルが12ヵ月のうち4〜5ヵ月、あればOKなのであるが、タマがいけない。
 タマの書体と大きさがペケなのである。この部分がデザイナーの一番センスが出る所なのだが、お気に入りが無かった。

 
 永年、カレンダー制作に携わってきたので色々、事情が判っている。売りカレンダーで1枚の写真に幾ら掛けられるだろうか?
 売りカレンダーの場合、一枚たった4〜5万なのだ。だからイマイチな写真も使われる。
 この値段だとロクな写真がセレクト出来ないのだ。最低10万無いとEー写真がセレクト出来ない。予算の中でやり繰りしなければならないのである。
  
 その点、企業カレンダーの方がまだ余裕があった。企業により一点、20〜30万でも平気な場合もあった。カメラマンによっては一点50万円という人もいたが、今では余程順調な企業でないと採用されないであろう。
 
 企業側の趣向と自分の趣向を如何に調和させるかがデザイナーの手腕の見せ所なのである。
 企業側の意向に沿えば碌なモノが出来ない。勘弁して貰いたいのだが、一月は富士山か朝日、四月は桜、十月は紅葉などの要求があるが、意に沿わなくても抑えるところは抑えておかねば完成に至らないのである。
 
 時代が時代なのだから一般向けにボチボチ新しいカレンダーの企画制作も考えなくてはならない。
 “オーダーカレンダー”を始める時代なのである。タマは一律か2種類ぐらいで良い。
 ビジュアルを好みでセレクト出来るようにすればEーのだ。
 ひと月に7〜8種類ぐらいビジュアルを用意しておいて、好きなのを選べるようにするシステムなのだ。
 
 しかし、この試みは費用が掛かる。制作も企画もである。成功するのは間違い無いが、余程大きな組織と資金が必要になる。
 印刷会社も大日本か凸版位でないと出来ないであろう。リスクを負える印刷会社が出てくれば別なのであるが・・・。カレンダーは色々リスクが大きく小さな印刷屋さんでは受けられないのである。

 今のカレンダー印刷はコンピュータ化されているから、このような面倒な印刷製本も可能なのである。しかし、チェック機関が増えるだろうから費用が嵩むのは間違いないのである。
 
 将来的には常識になるであろう事なのだが ─── 今のうちに、特許を取っておくべきか・・・?