フルカウント

　2018年、とうとうフルカウントが 2ストライク3ボールから、3ストライク3ボールになるらしい。要するに三振が無くなり四振になるのである。
　今まで圧倒的にピッチャー有利で点があまり入らず退屈なゲームにいよいよ大リーグ機構が決断したのであった。
　
　世界的にちっとも広がらないし、オリンピックから外されるし、アメリカと一部の地域しか普及していないベースボールを世界に拡げるために行った苦渋の決断だった。世界規格の見方をすれば野球はスピード感はないしモタモタしているし、訳の解らないややこしいルールが有るし、ちっともエキサイティングではないのだ。
　ここいらでルールを変更しパワフルでエキサイティングなスポーツに流れを変えようとしたのだ。アメリカが世界戦略の要にするための野球ルール変更なのだ。
　反対意見も多数有った。今までの記録はナンだったんだと言う意見が圧倒的に多く、恐喝まがいの蛮行も繰り返された。
　
　しかし、これにより1−0とか2−1などというサッカーのようなセコい点数で勝負が決まる事はなく10−8だとか18−15というような派手なスコアが刻まれて行く事になる。
　ノーヒットノーランなどは見ている身にとっては退屈すぎる貧打戦なのである。
　メジャーでルールが変わればその下部組織も変えざるを得なくなり、そのうち日本のプロ野球も変わるし高校野球も変わるし、軟式野球も変わるし、ソフトボールも変わる。そうなれば日本軟式野球やソフトボールでありがちな1−0 など誰も振り向きもしない点差で試合が終わる事が無くなるのである。
　そうなるとまた野球もソフトもオリンピックに復帰する可能性がある。そしてまたアメリカに金が流れるシステムがより確実になるのである。「考えてみなさいよ。バスケットボールの試合が5−3ぐらいのスコアで勝負がついたら誰も見に行かないでしょうが・・・」と言うのが反対派を説得する時に使われた殺し文句だったらしい・・。