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大鹿村騒動記

 3〜4ヶ月ぶりで映画を観てきた。原田芳雄の遺作「大鹿村騒動記」である。
 近くのシネコンで観たい映画を探しても「ハリー・ポッター」「ポケモン」「パイレーツ・オブ・カリビアン」「アンパンマン」「コクリコ坂」「スカイライン」 etc. ・・お子様映画ばっかりじゃねーか? 大人が観れる映画はないのか? 「あっ、考えたら夏休みに入ったんだ」
 探したら「小川の辺」「大鹿村騒動記」が出てきたので原田芳雄がつい最近、亡くなったから追悼の意味で「大鹿村騒動記」に決め、銀座まで観に行ってきた。
 なんと1000円で観られるではないか! まあいい、安いに越したことはない。
 あまり期待はしない方がいい、と思って入ったのだが観客がいつもと違って年寄りが多い。仕方なかろう午後2時台だもの。でもこの老人の多さは伊丹十三の「お葬式」以来だ。笑いも「なぜここで、なぜこんな所で笑えるの?」というのが所々でおこる。やはり老人は映画に優しい。


 で、映画はどうなのかというと60点ぐらいだろうか、監督がいけないのか?脚本がいけないのか?
 内容が盛り込み過ぎで浅い。序盤は村の会合でリニア新幹線の誘致か反対かで揉め、歌舞伎の役の上下関係にまで関わり人間臭いドラマが期待出来たのだが・・・。前半の状況説明的な流れから中盤から後半、舞台が急に歌舞伎に入り、また、もどってエンディングを迎える。おそらく原田の体調が思わしくなく、どんどん撮影もストーリーもカットされたのだろう。観る方は歌舞伎の内容など分からないのに観客にそれを解らす工夫もない。
 日本一美しい村とされる「大鹿村」の風景を観れると思って足を運んだのにそれすらない。喜劇に徹するなら徹すればいいのに・・大笑いするシーンも無い。人間くさいドラマ性もない。中途半端な映画であった。
 やはり監督なのかな・・・残念。