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ヨッパライダー

 時代はバブル期であった。業者さんから誘いを受けた。さほどアルコールの強い方でない私は2次会で充分だったが3次会まで付き合った。限界だった。「もう1軒、行こう」を断りそこで別れた。
しかしまともに歩けない。終電はとっくに終わっている。しばらくベンチで休んでからタクシーを拾おうと手を挙げたがタクシーが止まらない。当時は社会問題になるほど深夜、東京ではタクシーは止まらなかった。空きタクシーは走っているのにだ。新橋だったが歩いて帰るには2〜3時間かかる。とてもそんな気になれない。
 バイクで通勤していたので停めるている三田まで歩きバイクで帰ろうと考えた。何とかバイクまでたどり着き発進した。深夜2時をまわっていた。バイクは走りだせばなんとかなる。しかし赤信号で止まっている時など頭がグルグル回って止まっていることすら大変だった。倒すとマズイから赤信号で発進した。もちろん周りにパトなどいない事を確認してだ。何とか家にたどり着いた。
 天罰が下った。翌日から低周波騒音に悩まされた。アルコール摂取過多のせいで脳がやられたのだろう。それからバスのエンジン音やクーラーの音、あらゆる低周波音が頭の中ですごい音を立てているのが3週間続いた。
 普通わたすの場合、自己防衛機能が働き二次会で寝てしまうのだがその時は何かが狂っていたのだろう。