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潮干狩り

昔、子供が保育園時代だったと思う。
家族で田舎の実家に帰省した時、私の父と母も一緒に潮干狩りに自転車で
行った。自転車で5〜6分である。5月の連休の頃だった。
子供たちに取り、初めての潮干狩りだった。
子供たちと祖父、祖母と一緒に外出するのは初めてだっただろうか。
 
最初、地元の人が釣り餌のゴカイを掘りに行く場所に行った。
川の終わりで海が目の前だ。干潮の時に此処でゴカイやアサリを掘る。
しかしあまりアサリの釣果がEーとは言えなかった。
 
そこで母が大昔、潮干狩りに行った事の有る“元島”に場所の変更を促したので
その通りにした。其処から自転車で10分ほどだった。
島と言っても防波堤で繋がっている。自転車で島まで行けるのである。
父はとうに退職していたが、両親ともまだまだ元気だった。
 
その島では小振りだがアサリが結構掘れた。
そこで一番多く採ったのは母だった。
私も妻も父もあまり採れない。まして子供らは殆ど無理に近かった。
下の子はまだ石と貝の違いが判っていたのかと思うほどだったから・・。
母は根気よく掘ってアサリを見つける。これは一種の才能だ。
 
釣り糸を絡ませた時、母に頼めば綺麗に解きほぐしてくれていた。
かなり根気にたけて辛抱強くやる人なので潮干狩りも得意だったのだろう。
 
結局、6人でバケツ一杯になるほど採って来た。殆ど母が一人で掘った物だが。
母にしたって潮干狩りは何十年振りの事だった。
 
家に帰り、家の近くの海岸に海水を汲みに行き、その海水をタライに
移したアサリに海水を入れる。
そのトタンのタライは私と弟が産湯を使ったタライである。

そのタライを風呂場に持っていった。
 
するとアサリたちはものすごい勢いで潮を吹き出す。
1メートルも潮吹きをする貝もいる。
風呂中が海水だらけになるほどだった。
天然のアサリの力は凄い物だと思ったものだ。
晩御飯にはアサリの酒蒸しやらアサリのすまし汁やらが出て来たのは
言うまでもない。
 
今、売られているアサリは養殖物なので大振りだがそれ程、元気が無い。
何時まで置いておいても潮出しや砂出しはしない。
カッチリ貝の蓋が閉じられている。
どうしてなのだろうか? 数年前までは良く潮吹きをしていたのだが・・・。