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ブラックな企業

下の子がこの春、卒業して4月から広告会社に勤め始めた。
4月一杯は研修期間だったが殆ど毎日終電で、時にはタクシー帰りだ。
5月になっても夜11時前に帰宅する事はまず無い。
ウイークデイは家族と共に食事すら出来ない。
誰もが知る企業だが、いわゆるブラックな企業なのである。
 
わたすの様にマイペースでプライベートを優先する人間はまず務まらないだろう。
もし勤めたとしたら鬱になり5月病になって出社拒否になったかも知れない。
 
幸いわたすは自由気ままに出来る会社にしか勤めなかったので鬱にも縁が無かった。
最初勤めた所はド素人での入社だったので結構大変だった。
会社に泊まってでも締め切りに間に合わせなければならなかった。
 
終電を外すと会社に泊まるか会社指定のビジホだった。
翌朝、原稿を営業に渡してから喫茶店でモーニングセットを食べゆっくりと時間を潰していた。
戻ってみると赤字原稿が入っていて午後一までに修正しなくてはならない状況だった。
 
胃がキリキリしてきた事もあった。しかし30歳前から胃が痛むなんて事は無くなった。
慣れとはこういう事なのだと思った。慣れと共に要領も解って来たからだろう。
 
今、考えるとビジホなど用意してくれた会社などマシな方だった。
まともに残業代など出た会社は殆ど無かった。
 
下の子も高校時代から徹夜を経験している。お勉強ではなく作品造りなどである。
好きでやっているのだから徹夜作業も出来るのだろう。
大学卒業制作でもダメを出されトータルで2ヵ月近く家を留守にしていた。
 
全てに関して大トロで仕事もトロそうで、やっていけるのかと思う時があるが頑な所もあり今の所、根を上げる様な素振りは無い。誰に似たのだか・・・。