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御用聞き

 サザエさんちには今でも “御用聞き” がやって来るが世間ではとっくの昔に御用聞きは絶滅した。
 祖母が生きている時、最後まで家にやって来たのは御菓子屋さんだった。祖母は御菓子屋さんの丁稚が自転車に乗って来る度に何か少量ながら注文していた。もちろん和菓子屋さんだったが・・・。そのせいで私の歯は他の友達と比べ虫歯が多かった。
 洋菓子屋さんだったら私としても嬉しかったのであるが、洋菓子屋さんは “御用聞き” の習慣が無く一度も家には訪れなかった。
 
 子供の頃、お菓子は生きる望みであった。三度の食事は苦痛だったがお菓子を食べている時は天国だった。10時と3時のおやつの時間はその為に一日があると言っても言い過ぎではなかった。