ホームページ http://mamo-007.sakura.ne.jp

冬期 真教寺尾根

・・・昨日の続き

登山道が雪で埋まっているので大体のカンでルートを選びながら進む。
道しるべが殆ど埋まっている。
偶にピンクの道標が枝に付けられているのもあったが・・・
登る時は上を見あげれば大体、頂が見えてルートの見当が付く物だが
下りは目標物の目安が無いためルートを外すと余計沈み込みラッセルが
キツくなる。

↑ほぼこの辺だろうと思われる。我々は下ってきたのだが・・・。
我々の時には写真を撮る余裕すらない。
近頃はわざわざラッセルを楽しみに行く人もいるのだろう。

↑ここまで酷くは無かったが・・・ネットで見つけた真教寺尾根の写真。 
 
雪が無ければ足早に駆け抜ける所だが3〜4倍ほど時間が掛かってしまう。
イヤ、もっと掛かって次第に焦りが出て来た。
日暮れまでに清里に着く予定にしていたが途中で困難だと思えてきた。
「8時になろうが9時になろうが、たどり着ければればEー」と目標を変えた。
 
しかし夕闇が迫ってきた。日没後はトレースの無い雪道の歩行は不可能だ。
登山道の途中でビバーグする羽目になった。
相棒がチェルト(簡易テント)を持って来ていた。用意の良い奴だ
緊急野営用のテントなのでチャッチィが無いよりは遥かに助かる。
イヤ、無ければどうなっていたか分からない。
 
雪道で一箇所、傾斜のない平地を見つけ「此所しかない」と思いビバーグ
地点を決めた。
しかしテントを張るスペースが無い。
テントを張るスペースを確保するために木を切り払う事にした。
 
以前にも書いたが最初はピッケルのブレードで木を伐ろうとしたが全く
刃が立たない。
そこで相棒がスイスアーミーナイフに付いているノコギリで伐ろうとした。
私はそんなオモチャの様な物で切れるわけがないと見ていたが5〜6センチ径の
杉の小木がサクサク伐れた。
なんとかスペースが出来、雪を被せ登山道の真ん中にテントを張る事が出来た。
普通なら通行人の邪魔になるところだが通行人など誰一人いない。
なんと相棒はガスバーナーやコッフェルも持ってきていた。
山小屋泊の登山なのに・・・。
 
明日の朝食用食料を残し、インスタントラーメンや非常食の殆どを食べた。
間違い無く明日は早めに麓に着けると思ったからだ。
 
ラーメンを作る際には雪を溶かすしかない。雪を溶かすのに鍋に雪を
入れて登山用バーナーで湧かすのだが実際これほど時間が掛かる物とは
思わなかった。
鍋に大盛りの雪を入れ、火に掛けるが水になった時は僅かな量しか出来ず、
直ぐ雪を追加しなくてはならない。
 
なんとかお腹を満たしたがやる事もなく寝る事にした。
9時頃だっただろうか。
それから長〜い、長い夜を迎える事になる。
 
ここらへんで一服