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八ツ峰‐II

元々、八ツ峰は一般登山道ではないので標識やペンキの表示は全くない。
下手に標識など付けると素人が入山してしまい事故になったり滑落したり
するからだ。
なので昭文社の山地図にも日地出版の山地図にもルートを載せていない。
 
クレオパトラ・ニードルを右手に見ながら引き返すか進むか迷っていた。
戻った所で又時間が食われる。
その時、上の方から人の話声が聞こえてきた。
ルートを確認するために、その人達に合ってルートを確認しようと声を頼りに
岩を登ると頂きに立てた。真砂沢ロッジを発ってその日、初めて人と出会えた。
 
其所にいたクライマーに「ここは八峰の頭か」と訪ねると「チンネの頂だ」
と言う。完全にルートを外してしまっていた。 

左稜からチンネに登るクライマー。此所を登るクライマーはほぼこのルートを
登る。
チンネに登る人達は初心者では無いエキスパートなのだ。
此所はクライマー達のメッカだ。我々の様に迷い込んだ人達ではない。

我々は左の緩い斜面をザイルも使わず登って行った。
頂にいたクライマー達に大まかなルートを聞いて剣へ進み出した。
 
どうにか剣岳の頂上に立った時は日没前だった。
晴れた日はこの頂上から日本海が見えるらしいが曇っていて何にも見えなかった。

こんな日は一年に何回あるだろう?
 
我々のもう一人の同行者は素人だったので岩稜歩きをさせず、別行動を取らせ
一般登山道で剣岳頂上に行かせて剣沢小屋で落ち合うことにしていた。
しかしその同行者は日暮れても山小屋に我々が到着しないので心配に成って
山小屋の人に相談したらしい。
 
我々が 剣岳山頂から下山を始め、無人の避難小屋を通り過ぎて先を急いだ。
陽が完全に暮れ、次の山小屋(剣山荘)に立ち寄り自販機で缶ジュースを
買った時、山小屋の人が出てきて「T さんですか?」と聞いてきた時は
ビックリした。
一体、何故だか判らず「そうですが・・」と答えた。
泊まる予定にしていた一つ下の剣沢小屋から連絡があったそうだ。
剣沢小屋に先に着いていた別同行者の連絡でその小屋に「そっちに到着して
いないか」と無線が入ったらしい。
 
その後、暗闇の中、剣沢小屋に向かった。
剣山荘から剣沢小屋に無線がいったのだろう。我々のライトを確認した
剣沢小屋の人らがライトを振って迎えに出てくれていた。
どうにか剣沢小屋に着いて別行動の人と逢えた。
9時近くなっていただろうか?
 
あーしんど。ここいらで一旦休憩(つづく)