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ランチビール

平和島という東京の場末の土地の企業にいた頃だ。
駅から近い寿司屋でいつも通り“生ビール”を注文すると店主が聞いて来た
「昼間っから飲んでいて大丈夫な会社なんですか?」と。
「全く大丈夫では無い会社です」と答えると周りにいた客も店員も店主も
クスッと控えめに笑った。
 
「よーやるわー」と云う顔付きだったか? それとも、 
出世街道からハズれた人間だと解釈したのか?
デザイナーに取って普通、出世など、どーでも良い事なのだが。
 
昼に外に食べに出た時には、20代の頃から時たまではあるがビールを
注文していた。
土曜出社だと周りの人間も誘い「皆で渡れば恐くない」をしていた。
 
最後に勤めた会社では週1〜2回、ランチビールを注文した。

その会社の別のグループの奴が「Tさんは昼過ぎ、臭う時がある」
と言ったそうだ。誰かは追求しなかったが。
わたすもほめられた事では無いぐらいは分かっていた。
 
ある時、それを聞いた上司に注意された。
その時は適当にゴマかしたが・・・
 
問題はその事を口にするか、しないかである・・・
そこの処が人間性に関わる事だ。
その事を人前で喋くった人間のことである。
 
ずーと昔、隣に座っていた女性がある時、「Tさん、止めて下さいよ」と
言ってきた。セクハラではない。
余程、臭ったのだろう。本人に直接言うのは全く問題がない。
彼女は他人には喋る事はなかった。
 
私に注意した上司は私より若い奴だった。
規則通り動かない私の事を手に余していたのである。
 
彼が上司では無い時、一度だけ、そいつに仕事を依頼した事がある。
出来てきたのは普通過ぎた。
どうでも良い仕事だったので「ま、Eーか」にした。

一度、仕事を見ただけで、その人間が出来るかどうかの技量が判断
出来なければディレクターは務まらない。
二度と依頼する事はしなかった。
 
仕事的には無能な奴だったが・・・まだその会社に残っていると聞く。
才能が無くても“世渡り上手”が生き残れるのである。
まあ、酔っていなければこんな事は書かないのであるが・・・