ヒッチハイクで停まってくれる車はほとんどライトバン(商用車)だった。
長距離トラックは100%停まらなかった。
規則で人を乗せてはいけない事になっているのだろう。
家族連れの車も停まらなかった。
中には親切な人もいた。日本海側をヒッチしていると父親ぐらいの
年配ドライバーが停まってくれ、色々話をしているうちに、「今日は金沢駅に
泊まる予定」だと言うと「家に泊まっていけ」と言われた。
しかしわたすは “気兼ね”は苦手だったので断った。
ヒッチハイクで同乗させて貰えるドライバーはかなり親切な人ばかりだ。
別れ際、売店で巻寿司を買ってくれた。
「息子が色々世間に迷惑を掛けているので罪滅ぼしだ」とか言っていた。
その寿司をほおばりながら金沢駅で一晩過ごした。
ヒッチハイクとは気ままな一人旅でない。人の温情にて成り立つ旅なのである。
日本ではほとんど成り立たない旅スタイルでもある。
ある場所でずーっと親指を立てて車にサインを送っていると、
見かねた老人が「タクシー呼んだげようか?」と聞いて来た事もあった。