ホームページ http://mamo-007.sakura.ne.jp

田舎のバス

 この夏、龍神温泉に行ったときだ。紀伊田辺駅から龍神温泉行きの乗り合いバスに乗ろうとすると15分ぐらい発車が遅れると言う。電車の到着が信号故障で15分遅れるのでバスの発車も遅らせて欲しいと旅行会社からバス会社に連絡があったそうだ。旅行会社のパック旅行の客二人のためにである。
 他の客はうちの家族を含めても5名位だった。もっともそのバスの次のは2〜3時間後になるのである。田舎のバスは融通が利く。バス停で無い所でも泊まってくれるし、乗り降り出来る。ある意味タクシー的である。その二人の老人はパック旅行でなければ乗り遅れる事になったであろう。
 15分遅れで発車したバスの運転手は遅れを取り戻そうとモーレツに飛ばした。田舎の狭い道路を70キロ以上で走っていた。最前列に座っていたから良く解る。それはそれで気持ちが良かった。運転手も大義名分が出来たから飛ばしたのであろう。終点にはほぼ定時に着いた。
 
 田舎のバスの経営は補助金が出なければ成り立たない。殆どガラガラの状態で運行している。これ以上、間引くと乗客もますます利用しなくなるであろう。
 バスに乗るのは町の病院や買い物に使う老人と町の学校に通う生徒ぐらいだ・・・観光客は1〜2%ぐらいか。何処の田舎も同じだ。一極集中してしまって、益々田舎は人が減っていく。
 
 奈良の田舎を舞台に女性監督が撮った映画「萌の朱雀」という過疎の村がテーマの映画があったが全国的にあれが現実だ。
 田舎は繁栄し人口が増えるという事はあり得ず、過疎化が進む一方なのである。