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結婚式でのこと

 昔、ささやかな結婚式を挙げた。今思えば普通の結婚式を挙げたい妻には気の毒過ぎる結婚式だった。挙式を上げたくないわたすとの折衷案だった。
それぞれの友人2名ずつと家族と近い間柄の親戚関係だけだった。会社関係の人など一切呼ばなかった。
アットホームな挙式であった。ずーっとそれで良かったと思ってきた。でも最近、連絡がとれなくなってくる友人が出てきたのでお祝い事の時ぐらいは遠方の友人も呼べば良かったなあと思うようになってきた。歳と共に考え方がブレて来る。最低限、年賀状をやり取りしている友ぐらいは呼ぶべきだったかと。

 その挙式のあと会食が終わって解散の前に皆で式場の喫茶室でコーヒーを飲み談笑し、それぞれ帰宅した。その後、ハテあそこの勘定は誰が済ませたのか考えた。立て替えた人に支払わねば・・・。
十数名いたはずだ。友人に電話した。両親に電話した。親戚にも電話した。・・・誰も支払ってないと言う。・・・「食い逃げだ。それも集団でだ」

 その後、父と電話で話す用が有りそのことも話した。厳格な父のことだ「それはいかん支払わんと」と言うだろうと思った。違った「あーゆー所は儲かっているんだからええじゃろ」だった。意外だった。
 父は小さなタバコ屋に葉書を買いに行った際、おつりを十円でも多くもらってきたと分かると、わざわざ炎天下の道を自転車で返しに行く人だった。中学教師だった頃、父の教え子が就職先で理不尽な扱いを受けていると聞くと怒って何時間も掛かる所へ連れ戻しに行き再度就職先を探すこともあった。相手の立場が弱者かどうかで行動する人だった。