ホームページ http://mamo-007.sakura.ne.jp

スカイツーリング 続き

 羽田に帰った。羽田空港には2カ所GSがあったがたまたまその日、一カ所しか開いていなかった。面倒なので家まで持つだろうと思い給油しないで高速に乗り家路についた。見事予想は外れた。高速道路の上でストップした。
高速で車やバイクがガス欠で止まるとどういう事になるか経験者でないと悲惨さは分からない。
 高速道路の上からどうやって下に降りようか・・。流れている自動車に手を振り救助してもらうか・・。諦めて緊急電話まで行って救助して貰うか・・。JAFなどとは契約していない。現実に考えて止まってくれる車など無い。わたすが仮に車に乗っていたとしてそれを見かけても危険なので止まりはしない。冷静に考えれば電話して救助して貰うのが一番良い。しかしわたすは普通の人と違うのだ。そうアホなのだ。
 色々考えキャンプ道具の中に10メートルぐらいの5ミリの細ヒモがあるのを思い出した。その紐は登山用品なのでけっこう強い。ダブルにすれば間違いなく切れる事はない。垂らしてみたがWでは届かなかった。シングルで何とか届くほどだったが先が地面に着いているのか見えない。下りはじめて途中でロープが足らないと気がついても引き返すことは出来ない。シングルだと切れる可能性もある。ロッククライミングの場合、太さが最低9ミリないと懸垂下降しない。
 思案に暮れた。ふと周りを見ると高速道路の上下線の間に階段が見えた。作業者用の階段だと直ぐ分かった。光明が見えた思いだった。
 結局ビュンビュン走る車をやり過ごして道路を横断して階段を降り、下の道でタクシーを拾った。
羽田空港のGSまで折り返してオイル缶にガソリンを入れてまた高速道路上の止まっているバイクの所に引き返した。その間40〜50分。すると黄色の道路パトがバイクの直ぐ後ろに止まっていた。ヤバイと思った。
 直ぐタクシーを降りてタクシーを行かせた。何食わぬ顔してバイクのタンクにガソリンを入れた。やはり道路パトの人間が経緯を聴いてきた。事件性があるので本部やケーサツに通報したと言うのだ。直ぐ問題ないことを本部に連絡してもらった。直ぐにその場から逃げるようにバイクに乗って離れた。
もちろん作業用階段から降りたと言うことは一言もしゃべらなかった。空きタクシーが来たから拾ったと言った。空きタクシーが首都高を流しているハズがないのに。今から8年ほど前のことだ。

2回目の渡道 5代目の戦闘機 野付半島